W126の選び方(下回り編)
少し大げさで
少し上から目線のようなお題目となる事をご容赦いただきながら
これから私が指し示す課題そのものにご注目いただければ幸いです。
W126を5台乗り継いで、痛~~~い目に何度か遭遇した経験から
そして、本業であるみがき屋として数多くのW126と接してきた経験から
現在初期モデルでは既に32年 最終型91年式でも20年経過した車両の痛み方をご紹介します。
この記事が現在W126を所有する方の整備の参考となり
また、これからW126を選ぼうとする方の参考となれば幸いです。
今回は下回りの注意点です。
アッパーアームには、根元および先端にブッシュがあります。
このブッシュに切れ、割れがあれば不具合とみなします。
ジョイントのブーツの割れも同じです。
不具合があれば左右のアッパーアームを同時交換するほうが良策と思います。
改修作業としては、足回りをほとんど全てバラす作業となります。
そして最近良く見かけるようになり始めたのが
スタビライザー(写真の右からアッパーアムへ伸びるバー)の付け根のブッシュの変形です。

上の写真は車両後方から見ていますが
前方から見るとこの様にショックアブソーバーが見えます。
このショックアブソーバーも交換歴のないものは
ヘタリオイル漏れを生じているものが多くなっています。
そして、アブソーバーの軸に装着されているバンプラバーは多くのの車において崩れています。
※バンプラバーは、写真の白い筒の中にあります。

ナックルの下部には大きなジョイントがありますが
このブーツが切れていたならば不具合となり車検すら通りません。
交換の際は、ブーツのみの交換も可能ですが
距離を走っている車ならばジョイントそのものの交換がオススメです。
改修には、ナックルを取り外した上で
このジョイント交換の際は、SST(Special Service Tool:専用工具)が必要となります。

ロアアームの後方に掛かる力を全て受け止めているのがブレーキサポートブッシュです。
これも交換歴の無い物は距離に関わらず不具合を生じています。
ブレーキサポートブッシュを収めているマウントブラケットは
2つの大きなゴムの塊(ベアリングと称する)で支えられていますが
このベアリングもヘタリが生じ始めているのを見かけます。
特にステアリングギアボックからオイル漏れしている場合は
ゴムがオイルに侵され変形・変質しているものがあるので要注意です。
改修には、ガイドロッドを抜き取るためにスプリングを取り外す事となり
圧入作業が出来る環境が必要となります。

ギアボックスの真下に近いところにベアリングがある事がお判りいただけると思います。



ステアリングリンケージは過去記事をご参照ください。
ステアリングリンケージ交換!!

燃料系の改修はコチラをご覧ください。
フューエル(燃料)ポンプパッケージ

これは自動車雑誌でもおなじみのジョイントプレート(コンパニオンプレート)
一見大丈夫なように見えますが
写真に見えるナット側の2つのナット周囲のゴムに亀裂が入っています。
よって不具合有となります。
マフラーの脱着およびプロペラシャフトをちぎめる作業を伴う改修となります。

ラジエーターに繋がるATクーラーーホースは交換は容易ですが
ウィークポイントの一つです。

300SEでは、起こり易いのがマフラーからの漏れですが
最近V8でも、しばしば見かけるようになりました。
排気漏れでは、車検すら合格しない。。。
決して安い部品ではないので注意が必要かと・・・

白く見えるのがリアのスタビライザーリンクです。
これも弱点の一つですが
安いパーツで交換も容易です。
この交換を自慢げに話す販売店ならば
その店での購入は避けたほうが良いかも (^^

オイル漏れやクーラントの漏れのチェックは当然として
上に揚げた様な部分を是非見てください。
リアの足回りに関しては外見から判断しずらい事が多いので割愛させていただきました。
この記事が多少でも愛車のメンテナンスと中古車選びのお役立てば幸いです。



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